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提出期間の豆知識編

前3回にわたってお届けしています提出期限について、今回は最終回としてその他雑多な内容です。豆知識として読んでいただければ、どこかで役に立つ…かもしれません。


ちなみに前3回の提出期限についての記事はこちら












目次              


  1. 期間の法令を読み取るための基礎知識(以前・以後、前・後)

  2. 提出期限の規定がない届出書等

  3. 届出書等の提出は消印?必着?






法令を読む基礎知識       


日付等の期間の開始を表現する言葉として、「以前」もしくは「以後」又は「前」もしくは「後」があります。

これらの言葉の違いは、「以」という文字が入っているか否かですが、この一文字で起算日となる日を含むか含まないの違いが生まれます。


「以前」もしくは「以後」は起算日を含みますが、「前」もしくは「後」は起算日を含みません。数量の「以上」もしくは「以下」または「超」もしくは「未満」と同じ考え方です。


例えば、12月末日以後の場合は12月31日を含みその日以降の期間をさしますが、12月末日後となると1月1日とその日以降という意味になります。





次は期間の終了を表現する言葉です。「経過する日」または「経過した日」という表現があります。

これらの言葉の違いは、経過「する」か「した」の違いですが、この違いで期間の末日となる日に違いが生まれます。


経過「する」の表現では末日を指しますが、経過「した」の表現では末日の翌日を指します。経過「する」という表現では今まさに経過しているという現在進行中な状況で、経過「した」という表現では過去に過ぎ去った状況と考えると分かりやすいかもしれません。


例えば、2月1日からひと月を経過「する」日は2月28日(うるう年の場合は29日)となり、2月1日からひと月を経過「した」日は3月1日となり、2月28日は経過し過ぎ去ったことを意味する表現となります。







提出期限のない届出書      



開業届は開業のあった日から1月以内に提出となっていますので、開業の日は任意に選ぶことができますが、届出書の提出期限はその開業の日からひと月以内と提出期限は定まっています。


例えば、消費税の課税事業者選択届出書という届出書があります。

これは、消費税の免税事業者があえて消費税の課税事業者になりたいときに提出する届出書です。この届出書の提出期限は次のように規定されています(消費税法第九条4項)。



第九条 事業者のうち、その課税期間に係る基準期間における課税売上高が千万円以下である者については、その課税期間中に国内において行つた課税資産の譲渡等及び特定課税仕入れにつき、消費税を納める義務を免除する。

4 第一項本文の規定により消費税を納める義務が免除されることとなる事業者が、その基準期間における課税売上高が千万円以下である課税期間につき、第一項本文の規定の適用を受けない旨を記載した届出書をその納税地を所轄する税務署長に提出した場合には、当該提出をした事業者が当該提出をした日の属する課税期間の翌課税期間以後の課税期間中に国内において行う課税資産の譲渡等については、同項本文の規定は、適用しない。



ざっくりとまとめると、1項では「基準期間(前々年)の売上が1,000万円以下だった場合は今年度の消費税は納付は免除するよ。」という納税義務の免除を規定していて、続く4項では「納税義務の免除の規定の適用を受けない旨を記載した届出書(課税事業者届出書を納税地の所轄税務署長に提出した場合は、提出した日を含む年の翌年以後(来年度以降)は免除の規定は適用しない(消費税の計算して納めてね)。」というようにあえて消費税の計算をする方法を規定しています。


届出書の内容は今回はとりあえず置いといて、「課税事業者になるためにはいついつまでに届出書を提出してね。」という提出期限が規定されていないのが分かります。

しかし、よくよく見ると、提出した日を含む年の翌年以後に課税事業者となれることから、「課税事業者となりたい年の初日の前日までに届出書を提出」する必要があります。

したがって、実質的には期限が定められていると考えられます。


注意すべきは、この規定方法では期限が言葉として定められていないため「期限が休日だった場合は翌日を期限とみなす」という規定は適用されません(前回記事提出期限が休日の場合について)。

そのため、個人の方が来年から課税事業者となるべく届出書を提出しようと思った場合、今年の12月31日が土曜日もしくは日曜日または祝日等の場合は、要注意です!

その休日の前日に提出する必要があります。






届出書は消印有効それとも必着? 


届出書を郵送等する場合に注意するポイントとして、その提出する届出書が「いつの時点が提出時期となるのか」ということです。

この提出時期には2つあり、郵便局の消印(通信日付印)により表示された日を提出日とみなす「発信主義」と、税務官庁へ書類が到着した時を提出日とする「到着主義」があります。


発信主義が適用されるものとしては「一定の期間を提出期限として定められているもの」で、確定申告書青色申告承認申請書等があります。

到着主義が適用されるものとしては「速やかに」、「遅滞なく」等の具体的な提出期限の定めがないものです。

ちなみに、電子申告もしくは電子申請では到着主義が適用されます。「提出先の行政機関等の使用に係る電子計算機に備えられたファイルへの記録がされた時」に到着したものとみなすようです。


具体的にどの書類がどちらの提出時期となるのかをまとめたページが国税庁HPにありましたので、参考までにリンクを張っておきます(税務手続に関する主な書類の提出時期の一覧)。











まとめ             


以前以後または前後、経過「する」もしくは「した」など、期間の開始日と修了日に影響を与えるものがありますし、提出したらしたでその提出が消印有効なものもあれば必着のものもあると…ややこしいです。

現在は電子申告の環境も増えてきており休日の申告が可能ですが、年末年始はe-taxが休止する期間があったり、土日は24時間受付していない等注意する必要もあります(e-Taxの運転状況・利用可能時間)。



最終的にはこれしかないのかもしれません。

ご利用は計画的に余裕をもって。


以上です。ありがとうございました。

今後ともよろしくお願います(。-`ω-)


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