簿記の5要素の一つである「資産」について掘り下げていきます。
目次
概要
流動資産
固定資産
繰延資産
貸借対照表上の表示
1.概要
資産とは、事業で保有する財産のことです。
現金や銀行預金、土地、建物、事業用の車、商品、設備、債権(売掛金)などはすべて資産に該当します。
資産は、貸借対照表において借方(左側)に記載されます。
資産の中でもさらに「流動資産」、「固定資産」、「繰延資産」の3つに分類されます。
2.流動資産
流動資産とは、資産の中で、決算日後の1年以内で現金化できるもの、または、経費化するものいいます。
具体的には、現金そのものや、普通預金、当座預金、売掛金などのほか、商品や製品、原材料などの棚卸資産、未収金、前払金、立替金、仮払金、貸付金(返済期間が1年以内のもの)などが流動資産にあたります。
3.固定資産
固定資産とは、決算日後1年以上現金化されないものや、1年を超えて使い続けられるもの、または、長期間保有し続けたりするような資産をいいます。
固定資産はさらに「有形固定資産」「無形固定資産」「投資その他の資産」の3つに分類されます。
有形固定資産 土地、建物、機械装置、器具備品、車両など形のある目に見える固定資産をいいます。
無形固定資産 ソフトウェア、商標権、借地権、電話加入権など形のない目に見えない固定資産をいいます。
投資その他の資産 有形固定資産、無形固定資産のいずれにも分類されない固定資産で、短期的に売買する目的でない有価証券、敷金、貸付金(返済期間が1年を超えるもの)
4.繰延資産
繰延資産とは、支出する費用のうち支出の効果がその支出の日以後1年以上に及ぶもので一定のものをいいます。
本来は費用として計上するものの、支出の効果が1年に及ぶことから、いったん資産として計上し、効果のわたる期間に応じて償却(費用化)するものです。
具体的には、開業のために必要だった開業費があげられます。
5.貸借対照表上の表示
資産は、負債、純資産と共に貸借対照表を構成する要素の一つであり、貸借対照表の借方(左側)の資産の部に表示されます。
資産の部には、現金がいくら残っているか、ツケでの売上がいくら残っているか(売掛金)、販売する商品(棚卸資産)がいくら残っているか、事業で使っている資産はどういったものがあるかなど、ある時点での事業で調達したお金の使い道を表しています。
ちなみに資産の部の中での表示については、流動性が高い(現金化が容易な)もの高いものから順に上から表示されます。したがって、流動資産、固定資産、繰延資産の順で表示します。
表示については、業種によって区分が変わるものもあります。
例えば、一般的に車両は業務において長く使い続けていくものですから有形固定資産に該当し固定資産に表示されます。しかし、車の販売を行っている会社が保有する販売用の車両は商品に該当しますから、棚卸資産に該当し流動資産として表示されます。
まとめ
資産とは、事業で保有する財産のことで、貸借対照表上では借方(左側)に表示されます。
貸借対照表の資産を一覧にまとめて表示する資産の部を見れば、事業で調達したお金の使い道が分かります。
以上です。ありがとうございました。
今後ともよろしくお願います(。-`ω-)