[事務所通信]
当職ではfreee会計という会計ソフトを利用しています。
freee会計は、
日々の取引を、直感的に項目を選択して記録することができる
レシートをスマホで撮影すれば連動して取り込むことができ、その取り込んだレシートをAIが判断して自動で取引を記録できる
カードや銀行口座の明細をオンラインで自動取得し、その明細をAIが判断して自動で取引の登録ができる
経理に不慣れな方をサポートする機能が、
盛りだくさんに詰まっています。
そこで、freee会計をより使いやすくなるであろう内容をお届けしていきます。
初回の今回は、「簿記」のしくみからお届けします。
目次
簿記とは
経営活動とは
仕訳とは
記録とは
計算・整理とは
1.簿記とは 経営活動を記録・計算・整理して、経営成績と財政状態を明らかにする仕組みです。
2.経営活動とは
①手持ちの現金や預金、商品、事業用の車、売上の入金待ちの額といった資産
②仕入代金で未払いの額や借入金といった負債
③資産と負債の差額である純資産
④売上である収入
⑤仕入や電気代といった事業にかかる必要経費
これら5つの要素の変動を意味します。
そして、これらの増減を簿記上では「取引」として、「仕訳」によって記録していきます。
3.仕訳とは
取引をルールに則り記録する作業です。
そのルールとは、変動のあった項目を「勘定科目」として、「借方」と「貸方」とで左右に分類し、変動した金額と内容共に「仕訳帳」に記録するものです。
4.記録とは
取引を、取引の年月日、相手方の名称、金額を帳簿に仕訳によって記載することを言います。
帳簿とは
仕訳帳、総勘定元帳、現金出納帳、固定資産台帳などで、取引した内容を記録しておくノートのようなものです。
総勘定元帳は総ての勘定科目を科目ごとに記載したノート、現金出納帳帳は現金専用のノート、といった感じです。
※いい大人が描く取引の実態
↓
<仕訳>
↓
<仕訳帳>
※手書きの場合、各元帳の何ページに記載されているかのページ数を記載する列があります
↓
<総勘定元帳>
現金のみを集計するノートで、一番右の残高にその時点での金額を集計していきます。
売上のみを集計するノートで、一番右の残高にその時点での金額を集計していきます。
※手書きの場合、総勘定元帳には、仕訳帳の何ページに記載されているか参照できるようにのページ数を記載する列があります
5.計算・整理とは
日々の取引を仕訳として記録した金額を、勘定科目ごとに集計し、収入と必要経費は「損益計算書」に記録し経営成績を、資産と負債、純資産は「貸借対照表」に記録し財政状況を表します。
<損益計算書>
損益計算書には、収入と必要経費を集計していきますから、7月25日の売上である1,000円を①欄に記載します。
7月25日以外に売上があった場合には、それらすべての金額の合計額を記載します。この合計額は、仕訳をしてその金額を総勘定元帳に転記していけば売上帳で集計できますから、①欄の売上金額は、売上のみを記録していく売上帳の残高を転記してくることとなります。
例では、その他の金額はないものと仮定して、最終的に「収入-必要経費」の差引金額の1,000円を㉝欄に記載します。
※㊺欄の所得金額は、青色申告特別控除を控除した後の金額です
<貸借対照表>
貸借対照表には、資産と負債、純資産を各勘定科目ごとに集計していきますから、7月25日の売上の対価として受け取って手元にある現金1,000円を、資産の部の中の現金の行、かつ、12月31日(期末)の列に記載します。
なお、前年から引き続き保有している資産や負債、純資産は、1月1日(期首)列の各勘定科目の行に記載します。
※年の途中に開業して1月1日の時点では、資産、負債、純資産は何もなかったと仮定しています。
この貸借対照表を見れば、現金を1,000円保有しているのが分かり、財産の保有状況がわかります。
損益計算書において計算した差引所得(㉝欄1,000円)は、貸借対照表上の右下の純資産の部の青色申告控除前の所得金額の行に記載します。
最終的に、貸借対照表の左側の合計額と、右側の合計額は、一致します。
例でいうと、一番下の行の合計の金額は、左右共に1,000円で一致しています。
複式簿記のルールに従って仕訳を行っていれば、この左右の金額は一致しますから、この金額が一致していない場合は、仕訳を見直します。
まとめ 簿記とは、
取引を仕訳にして仕訳帳に記帳し、総勘定元帳に転記、年末になったら各勘定科目を集計した金額を損益計算書と貸借対照表にまとめるためのルールです。
freee会計では、取引の仕訳を登録(記帳)することで、仕訳帳や総勘定元帳といった帳簿と損益計算書や貸借対照表といった書類が作成できます。
そのため、自分で行う必要がある仕訳について、直感的に分かりやすく、また、AIによる自動判断等のサポートがあります。
これらの機能を十分に発揮させるためには、簿記の仕組みを理解して、「作業をサポートしてもらう」というよりは、「作業をサポートさせるようにする」というところまで昇華させる必要があります。
以上です。ありがとうございました。
今後ともよろしくお願います(。-`ω-)。